契約の重要性
私たちが経済活動をしていくうえで、将来のことを予め約束しておくことはとても大切です。
何をいくらで売るか、買うか、貸すか、お金や物をいつどうやって渡すか、もし物事が思っていた通りに運ばなかったらどう後処理をするか。
騙されたとか奪われたといった犯罪になるような場合を除けば、こうした約束の不備で困ったことになっても、国は当然には助けてくれません。
きちんとした契約書を作って取引の内容をお互いに明確にし、後処理の方法まで決めておくことは、先々に起き得るトラブルの回避のために不可欠です。
契約の自由
民法の大原則である私的自治の原則の下、私たちは、契約の中身について、法にみだりに拘束されません。
強行法規に反したり法が禁止される行為をしない限り、契約当事者の意思のままに内容を定め、取引を進めることができます。これは自由経済の素晴らしい一面といえます。従って、契約を結ぼうとするときは、「法の定めに委ねるべし」とあまり窮屈に考えるのでなく、自由な発想でいい取引をしよう、という姿勢が大切です。
契約相手との関係
他方、契約には必ず相手がいます。自由に活動できるのは自分だけではありません。
もし、契約の相手方との間に、経済力や交渉力の差、取引経験の差、法的知識の差があったらどうなるでしょうか。
一方的に不利な条項が盛り込まれたり、いざ法的責任を追及しようとしたら要件が加重されていたり、予期せぬ事態に陥ることがあります。
契約の落とし穴
また、定め方がまずくてそもそも法的に意味をなさない条項や、他の条項と矛盾しており無効となる条項、内容があまりに不当なため法的効果そのものが否定されてしまう条項など、様々な落とし穴があり得ます。
カバーすべき事態をカバーできていない(不足のある)契約だって、後の紛争の種となります。
海外の相手方との取引では英文契約書を締結することがありますが、使用言語が英語となるだけでなく、内容も日本の契約とはかなり趣が異なります(改めて説明します)。
専門家の契約書作成、チェック、レビュー
契約に専門家が介入する意味は、契約の不備を避け、好ましくない事態を避けることにあります。
1から契約書を起案する場合もありますし、クライアント様が作られた契約書や相手方から送られてきたものをチェック、レビューする場合もあります。
紛争を未然に防ぐことができれば、それに越したことはありません。
取引を安心してスムーズに進めるために、専門家のチェックを入れることは非常に重要です。